荒神谷遺跡 - 前編 ―

1983年(昭和58年)4月、出雲市斐川町神庭(かんば)西谷(さいだに)で、農道建設のための調査の最中、
田んぼのあぜで土器のかけらが見つかったことをきっかけに、
翌年、銅剣358本、またその翌年銅矛16本と銅鐸6個が見つかりました。

1998年(平成10年)、これらの青銅器は一括して国宝に指定され、文化庁の所有になり、出雲大社の横にある
古代出雲歴史博物館の常設展示室に展示されています。


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近くに三宝荒神が祀られていたことから、この遺跡は荒神谷(こうじんだに)遺跡と名付けられ、国の史跡となり
2005年(平成17年)、荒神谷博物館がオープンしました。

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田んぼだった(今はハス池になっている)横の道を奥にずっと歩いてゆくと、出土時の様子が再現されています。
左側が銅剣、7メートルほど離れて右側に銅鐸と銅矛のレプリカが埋まっています。

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●荒神谷遺跡の何がすごいのか?その特徴

① 358本の異常性
  それまでの全国の銅剣出土総数は約300本で、それを一か所ではるかに上回っている。
② 銅矛と銅鐸が一緒に出土
  これもまた全国で初めてのことでした。
③ ×印のナゾ   
  銅剣の茎(なかご)と呼ばれる持ち手に差し込む部分になぜか×印が彫られている。(358本のうち344本に)
  この×印は荒神谷遺跡銅剣と、約3㎞離れた加茂岩倉遺跡の銅鐸にしか彫られていない。
  関連性も分からないし、何のためなのかも分かっていない。

  ・作った工房のマークである
  ・神の力を封じ込めるため   など諸説あります。


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                                ※荒神谷遺跡出土銅剣 (古代出雲歴史博物館)                      

今、荒神谷遺跡の青銅器は2回目の修復と調査を約12年かけてされている途中のようで、顕微鏡でよくよく見たら、
×印のある銅剣の数がもしかすると増えるかもしれない、と調査しておられる学芸員の方が仰っていました。

青銅器は、鋳型に熱した金属を流し込んで作られますが、同じ鋳型から作られたものを同笵(どうはん)と呼びます。
銅剣の場合、鋳型から出して『研磨』するという工程があるため、同笵関係を特定するのは少し難しいのだそうです。
現在のところ、358本のうち43組で同笵が確認されています。




●赤く塗られた青銅器

荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡の両方とも青銅器に赤色の顔料が塗られていたことが分かっています。
日本最古の赤は旧石器時代から使われていたベンガラと呼ばれる顔料ですが、縄文時代からは水銀朱(すいぎんしゅ)
と呼ばれる赤色顔料が使われるようになりました。
ベンガラは土器などの身近なものに塗られることが多かったのに対し、水銀朱は青銅器や権力者の墓の副葬品に
塗られたり、木棺の中に大量にまかれたりして使われたようです。
水銀朱は鉄より銅より特別な、とても貴重で高価なものだったそうです。


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※中国産の水銀朱の原石 (出雲市蔵)             ※西谷(にしだに)2号墓出土 水銀朱(出雲市蔵)
                                 ~出雲弥生の森博物館~『出雲の赤』展より~


荒神谷遺跡の銅剣は現在8本で水銀朱が確認されていますが、それ以外に十数本赤色顔料らしきものが付着している
ものがあるようなので、水銀朱かどうかも含めてこれから調査されるのだろうと思います。

●研磨されていない銅剣
荒神谷の358本の銅剣は、鋳型から出して磨かれないまま埋められていたものが一本だけありました。
出来栄えが良かったために磨かなかったのではないかという説もあります。

木製の柄を取り付けて武器として使われたものも、もしかするとあるのかもしれませんが、
高価な顔料を塗られていたり磨かれていなかったり、こうしたことからも人を殺傷する道具というよりも、眺めたり
祭祀に使用したりした可能性が高いのではないかと思います。

その他にも、巫女(シャーマン)が剣を手に持ち、銅鐸の音に合わせて舞を舞ったのではないか、とか
出雲の支配下のクニに配るためではないかとか人それぞれに色々な想像をしていて面白いのですが、
他に手がかりになるようなものが無いので、その部分は謎に包まれています。





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荒神谷博物館の中は大きなモニターがあって、発掘の様子を見ることができます。

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普段はレプリカが展示してありますが、夏休みや冬休みなどは、本物が数点里帰りしています。
出土したところで全て展示してほしいな、と私などは思ってしまうのですが、保存修理や警備の関係、
観光客の動線のことを考えたら一か所にまとめてしまうのは仕方なかったのだろうなと思います。

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とても眺めのよい開放的なロビーです。

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ショップはちょっと珍しいおみやげや、書籍などが充実しています。

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最近見つけた 三種の神器アメ。 
桑の葉やしょうがの粉末、しじみエキスや乳酸菌まで入っている健康に良さそうなアメですが、食べると
じんわりしょうがの風味がしてきます。
荒神谷銅剣のトレードマーク、根元にある『×印』が芸が細かくて心憎いです。

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藤原茶問屋さんの、『神様とお茶』シリーズ。
それぞれの神様のイメージに合わせてブレンドした健康茶で、ティーパックが一個入っています。
やはり天照大御神が人気のようで、残り少なかったです。

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全て国産の材料が使用されています。


ヤマタノオロチと須佐之男命。
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須佐之男命茶は、荒ぶるイメージのわりにマイルドで飲みやすかったです。(山椒入り)
「お酒で失敗しないように」ウコン入りのヤマタノオロチ茶は、唐辛子入りの”火を吹く辛さ”が気になって
まだ手を出せずにいます・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・後編に続く

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